第10位 韓国コンテンツの影響力拡大 ジャンル越えて世界へ
2025年は、韓国のコンテンツが、特定の国の文化にとどまらず、国境を越えた文化的影響力として定着した年となりました。象徴的な作品の一つが、Netflixで公開されたアニメーション「K-POPガールズ!デーモン・ハンターズ」です。物語の中核には、K-POPアイドル文化、韓国的な世界観、舞台演出や振り付けなどが据えられ、韓国文化の表現が作品全体を支えました。さらに、韓国発のミュージカル「メイビー・ハッピーエンディング」が、アメリカのトニー賞で主要部門を受賞し、韓国の創作力が舞台芸術でも国際的に評価されることを示しました。こうした動きから、韓国文化は、完成した個別のコンテンツの枠を超え、世界のコンテンツ産業全体に影響を与える創作の源泉であり、一つの基準として捉えられる段階に入ったとみられています。
第9位 「ヌリ号」4回目の打ち上げに成功 ロケット打ち上げ国に
2025年11月、韓国が独自に開発したロケット「ヌリ号」が打ち上げに成功し、宇宙開発分野で重要な転換点を迎えました。今回の成功は、「実戦段階に入った」という点で意義深いとされています。「ヌリ号」は、設計・製造・試験・打ち上げ運用・衛星搭載に至るまで、すべての段階を韓国の独自技術で行ったロケットです。独自のロケットで人工衛星を打ち上げられる国は、アメリカ、ロシア、中国、日本など、ごく一部に限られていて、韓国もその仲間入りを果たしたという評価が出ています。「ヌリ号」の打ち上げの成功により、2025年は、韓国の宇宙開発が実験・検証段階を越え、産業化段階に進んだ年として記憶されることになりそうです。
第8位 「AI3大強国」への挑戦 国家戦略を本格始動
韓国政府は、AI=人工知能を国の中核戦略産業に位置付け、「AI3大強国」を目指す方針を明確にしました。そのための体制づくりとして、政府は国家人工知能戦略委員会を発足させ、17年ぶりに科学技術副総理の体制を復活させることを決めました。中でも注目されているのが、AIインフラの拡充です。政府は、超大型AIの開発に不可欠なGPU=画像処理装置について、エヌビディア製を中心におよそ26万基規模の計算基盤を、段階的に整備すると明らかにしました。人材育成も重要な柱とされていて、AIに特化した大学・大学院の拡充や、海外からの専門人材の受け入れ、在職者の再教育を組み合わせて進めています。2025年は、韓国がAIを国家戦略の中心に据え、体制とインフラ整備に本格的に乗り出した年として位置づけられています。
第7位 トランプ政権下で、韓国人労働者拘束が波紋
2025年は、トランプ政権の2期目が始まり、アメリカの移民政策が再び強硬な姿勢へと転じた年でした。こうした中、アメリカ南部ジョージア州で、韓国人労働者およそ300人が拘束される事案が発生しました。アメリカの移民当局は、韓国人を含む外国人を拘束し、手錠や鎖をかけて移送する様子がテレビでつたえられました。拘束された韓国人は、短期業務ビザや電子渡航認証で入国していました。韓国政府はアメリカ政府と協議を行い、韓国企業が設備の設置や保守作業のために滞在する場合は、このビザの範囲内で可能だという解釈を公式に確認しました。この事案は、アメリカの移民政策の運用が、同盟国国民の滞在や就労にも直接影響を及ぼし得ることを示す出来事として、関心を集めました。
第6位 APEC首脳会議が慶州で開催「実用外交」の存在感を示す
2025年の韓国の外交における最大のイベントは、古都・慶州(キョンジュ)で開かれたAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議でした。今回のAPEC首脳会議では、共同声明「慶州宣言」を採択し、米中対立など、地政学的な緊張が続くなかでも、開放と協力の原則を維持する方針を再確認しました。なかでも、アメリカのトランプ大統領と中国の習近平国家主席が首脳会談をしたことで、国際的な関心が集まりました。これを機に韓国も、韓米、韓中、韓日の首脳会談を相次いで開きました。 APEC首脳会議は、韓国が国際協力の舞台を設計する役割へと外交力が高まっていることを示す象徴的な出来事となりました。
第5位 中ロ朝の協力強化 南北関係は膠着続く
2025年の韓半島情勢は、北韓と中国、ロシアの協力が強まる一方で、南北関係は目立った進展が見られない一年となりました。し9月には、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が中国で行われた抗日戦勝80年の軍事パレードに出席し、習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領と並んで公の場に姿を見せました。中ロ朝3か国の結束を内外に示す象徴的な場面として受け止められました。その一方で南北関係は、膠着状態が続き、韓半島情勢の不確実性が残る一年となりました。
第4位 KOSPI 史上初の4000台突破
2025年の韓国株式市場は、KOSPI=総合株価指数がこれまでで初めて4000の大台を超え、象徴的な転換点を迎えました。 KOSPIは、去年末に2400台でしたが、新政権発足後、急速にに上昇し、半導体やAI=人工知能、二次電池など、主力産業の業績回復への期待が指数を押し上げました。なかでも、外国人投資家が韓国半導体産業の競争力を再評価し、買いに転じたことが大きな要因とされています。新政権は、企業統治の改善や配当拡大を通じて中長期の投資資金流入への期待を高めました。 KOSPIが4000の大台に乗ったのは、韓国の資本市場が構造的な信頼回復の局面に入ったことを示す出来事と評価されています。
第3位 韓米関税交渉が妥結 通商・安全保障協力が前進
韓国とアメリカは、関税をめぐる交渉を妥結させました。両国は、韓国が合わせて3500億ドル規模の対米投資を進めることを条件に、韓国産の主要輸出品に課されていたアメリカの関税率を、25%から15%に引き下げることで合意しました。今回の合意では、造船分野での協力も重要な柱となりました。韓国企業が参加する対米造船協力プロジェクトを通じて、アメリカ国内での造船所の建設や修理、技術人材の育成などを共同で進める方針です。一方、安全保障面についてアメリカは、韓国による原子力推進潜水艦の導入について協議を進めることを認め、今後、話し合いを続けることで一致しました。今回の一連の合意により、韓米関係は、経済と安全保障の両面で具体的な協力を積み重ねる段階に入ったとみられています。
第2位 憲政史上2度目の大統領罷免と政治的混乱
2025年の韓国社会は、大統領の罷免という大きな出来事を再び経験しました。憲法裁判所はことし4月4日、去年12月3日の「非常戒厳」宣言が憲政秩序を損なったと判断し、裁判官全員一致で尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領を罷免しました。憲政史上2度目の大統領罷免でした。これに先立ち、警察と高位公職者犯罪捜査処は1月中旬、ソウル漢南洞(ハンナムドン)の大統領公邸で尹前大統領を逮捕し、検察は同じ月、「内乱首謀」の罪で起訴しました。現職大統領が逮捕・起訴されるのは、韓国史上初めてのことでした。新政権の発足後には、前政権の疑惑を究明するため、いわゆる「特別検察官」の捜査が始まりました。その結果、結果、尹前大統領と妻の金建希氏はいずれも逮捕・起訴されました。
第1位 李在明政権が発足 弾劾後の国政正常化へ
韓国社会は、新たに李在明(イ・ジェミョン)政権を発足させました。大統領選挙が6月3日に実施され、当時の最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)候補が当選しました。今回の大統領選挙は、政治的混乱と社会的分断をどのようにして収拾するのかが最大の争点となりました。李大統領は、「国政の正常化」と「国民生活の回復」を前面に掲げ、3年ぶりの政権交代を果たしました。当選後強力な改革措置も並行して進め、政治的対立と緊張はいまも続いています。2025年は、李在明政権が国政運営の基本的枠組みを整えた年として位置づけられ、来年以降は、本格的な制度改革と国民生活の成果が試される年に入るとみられています。

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